2011年 03月 03日
蕗の薹 |
フキ(蕗、苳、款冬、菜蕗)
学名 Petasites japonicus
英名 Giant butterbur,Fuki
キク科フキ属の多年草
日本原産、北海道~沖縄県に分布、樺太、朝鮮や中国大陸でも見られる。
山では沢や斜面、河川の中洲や川岸、郊外でも河川の土手や用水路の周辺に見られ、水が豊富で風があまり強くない土地を好み繁殖する。近縁種は旧世界に広く分布し、ハーブとして利用される。また、幻覚作用の報告されている種もある。
北海道・足寄町の螺湾川に自生するラワンブキは高さ2〜3mに達し、北海道遺産に指定。
かつては高さ4mに及ぶものもあり、馬に乗ったままその下をくぐることもできたという。
秋田県にも2mほどに伸びる秋田蕗があり、全国的にも有名。江戸時代、藩主の佐竹義和(義峯公とも)は江戸でこの傘の代わりにもなるフキの自慢をしたが他の藩主から信じてもらえず、領民は山野を捜索して一本の巨大フキを江戸に運び、藩主の名誉を回復したという。
葛飾北斎も『北斎漫画』に、フキの下で遊ぶ男たちを描いている。
こうした、茎が中空となる巨大な蕗は倍数体によるものである。
茎は地上には伸びず、地中で地下茎となり横に伸びる。地下茎は有毒のため注意が必要。
食用には(肝毒性が強いピロリジジンアルカロイドが含まれているため)灰汁抜きをする。
早春、葉の伸出より先に伸び出す花茎を蕗の薹(フキノトウ↑)と呼ぶ。雌雄異花で、
雌花は受粉後、花茎を伸ばし、タンポポのような綿毛をつけた種子を飛ばす。
ふきのとう(写真)
蕾の状態で採取され、天ぷらや煮物・味噌汁・ふきのとう味噌に調理して食べられる。一般的には花が咲いた状態のふきのとうを食べる事は避けられるが、細かく刻んで油味噌に絡める「ふきのとう味噌」などには利用可能。伸びたフキノトウも葉や花を取り除き、茎の部分を軽く灰汁抜きしたものを油揚げ、糸コンニャクなどと一緒に煮付けても美味しい。
葉柄
重曹や木の灰などを入れた熱湯で灰汁(アク)を抜いて煮物や炒め物などにするか、生のまま塩や塩糠に漬け込んで保存し、調理前に煮てから流水で塩抜きしてから同様に煮物や炒め物にする。これだと春から夏に採取したものを冬の間にも利用できる。また、醤油と砂糖で濃い味の佃煮にしたものは「きゃらぶき」といい、これも保存食・常備菜となる。繊維質やミネラルが豊富で、昔は冬の野菜不足を補う一般的な山菜であった。
秋田フキなどの大型のフキは茎の中の空洞も大きいので、身欠きニシンや細切りにした薩摩揚げなどお好みで詰めものをして煮付けても良い。
葉も、茹でたものを流水にさらしてアクを抜き、細かく刻んで佃煮にするなどして食用になる。
by atelierq
| 2011-03-03 18:01
| garden